わらび餅は、いかにも古都らしい素朴さが魅力の奈良みやげ。奈良の茶店の定番メニューでもあって、散策の途中で楽しむこともできます。おみやげ探しと奈良散策に役立つ予備知識として、わらび餅についてご紹介。
わらび粉を使っているのは、実は少数派?
わらび餅は、でんぷんを使って作った、甘くて柔らかい和菓子。本来は、山菜のわらびの根から取った「わらび粉」を使うものですが、わらび粉はとても希少なため、今ではほとんどのわらび餅がわらび粉以外のでんぷんを使っています。そんな中、昔からのわらびの産地である奈良では、わらびから取った「本わらび粉」と他のでんぷんをブレンドして使っているようです。
わらび餅には、必ずといっていいほどきな粉と黒蜜がついていて、かけて食べるのが一般的。ただ、わらび餅自体にも砂糖が入っていて、いい甘さがあるので、何もかけないで少し食べてみるのもいいかもしれません。
和菓子屋で・奈良公園の茶店で
奈良のおみやげ屋に行けば、必ずといっていいほどわらび餅を売っています。おみやげ屋で買うのもいいですが、作っている和菓子屋で買うのもおすすめ。そのほうが、「確かなものを買った」という満足感や思い入れが持てるのでは。奈良町や東向通りなどに、わらび餅を製造販売している和菓子屋があります。
わらび餅は、奈良公園周辺の茶店の定番メニューでもあります。奈良公園散策の途中で、雰囲気のいい茶店を見つけて、休憩がてらわらび餅を味わうのもいいですね。茶店とおみやげでは、店が違うだけに味も違うでしょうが、自分で食べてみて、気に入ったうえでおみやげに買って帰れば、それだけ心のこもったおみやげになりそうです。
若草山のわらびが発祥
わらび餅の歴史を紐解くと、東大寺のとなりにそびえる若草山と結びつくようです。若草山は昔からわらびの産地で、東大寺の僧侶が、このわらびからわらび粉を取って作ったのがはじまりと言われています。江戸時代のころにはすでに、奈良の茶店の名物になっていたとか。
わらび餅は、奈良の名所とも結びついた、素朴な和菓子の奈良みやげ。茶店で味わって、買って帰っても楽しめる、というところも魅力です。